最低気温は空港での-6.2℃で「3月上旬並」、最高気温は空港での+4.3℃で「4月上旬並」。
昨日ほどではないとはいえ、今日もプラス気温であることから昨日も紹介したように丸山公園~郷土館にかけての道がヒドイ!
ということで、M学芸員と管理人Tさんが通路の拡幅をしたり排水溝を掘りおこす作業にあたっていました。
少しでも良くなるとよいのだが、金曜日にはまたまた嵐が予報もあったりするのだよなあ・・・
↓本日午後から開催した平成26年度の中標津町文化財保護審議会の様子。
なんやかんやで26年度は色々ありました・・・( -_-)トオイメ
↓下のの写真は、23年前の今日(平成4年2月24日)撮影された「酪農崩壊阻止管内住民大会」のようす。
平成4年度の乳価は6年間連続の値下げのほかに、前年の牛肉の自由化に加え、ガット(関税貿易1般協定)ウルグアイ・ラウンド(新多角的貿易交渉)の大詰めを迎えているなかに、91年(平成3年)12月20日、ダンケル・ガット事務局長の「例外なき関税化」案が示されたこともあって、例年とは趣きを異にするものがあった。
特に根室管内にあっては、乳製品・でん粉の農・畜産物の輸入自由化は、根室の基幹産業である農業の崩壊をもたらし、地域経済に大打撃を与える、と危機感を募らせるものがあった。
それを裏づけるものが92年(平成4年)2月24日午後1時から中標津体育館を会場とする「輸入自由化阻止・酪農崩壊阻止地域経済と生活を守る根室管内住民大会」(大会実行委員長進藤松吉中標津町長)であった。
根室管内の市町はじめ農協、経済団体など各界45団体を結集し、約2,000人の参集をみて「地域の経済と生活を守るため乳製品・でん粉の輸入自由化を断固阻止しよう」「酪農崩壊を阻止し地域の経済と生活を守ろう」「国民の健康と生命を守るため食料の自給率を高めよう」「加工原料乳価格1㌔㌘当たり6円値上げを勝ち取ろう」のスローガンと「酪農崩壊絶対阻止」と赤く染め抜かれた鉢巻きが溢れ、会場は異様な雰囲気に包まれていた。
釧路新聞(平成4年2月26日付)は
「大会では実行委員長の進藤松吉町長が「管内の酪農経営は厳しい状態に置かれており、この大会で一丸となって、崩壊阻止の行動を実現しよう」と団結を呼びかけた。次いで吉田昇(標津農協組合長)管内農協組合長会会長や佐野力三(別海町長)酪農を守る町村会議会長が経過を説明。議事では「農・畜産物例外無き関税化に断固反対し、現行の国境保護措置を堅持」「加工原料乳保証価格を6円引き上げ、低利・長期の金融制度を樹立し酪農業を確立すべきだ」とする要求を決議、それを訴えるため3月15日までに1人2枚のハガキと25日付で構成団体代表名で電報を政府、政党幹部、国会議員、財界要人らに送り付け、全国的な運動に拡大する方針で、ウルグアイラウンドの決着が迫る3月末までに関係者による中央陳情を展開することを決めた」とある。
決議された主なる事項は次のとおり。
(1)農・畜産物の例外無き関税化には断固反対し、現行の国境保護を堅持すること。
(2)国民の食生活に欠くことのできない農・畜産物は国内生産を基本とし、自給率を向上させること。
(3)加工原料乳保証価格は再生産と所得の確保を図るため1㌔㌘当たり6円の値上げを行うこと。
(4)超長期、超低利な金融制度を確立し産業として成立する酪農・畜産の確立を図ること。
大会宣言
我々の先人たちは遠く江戸時代の開拓当時以来、厳しい北の自然環境の中で営々として、その生活を築きこの不毛の原野を不屈の努力によって開拓し、緑豊かな大地とし、産業を興し理想郷建設を目指してきた。根室管内の我々住民はこのことを誇りに思う。
近年にいたり厳しい経営環境下にあっては国際化に対応した産業を確立するため、生産性を向上するなど自ら体質強化に取り組んできたところである。
しかしながら基幹産業である酪農・畜産においては連年に亘る価格の引き下げ、円高を背景にした輸入農・畜産物の増加、相次ぐ市場開放の要求、牛肉輸入自由化による個体価格の暴落によって経営は悪化し、地域存亡の最大の危機に直面している。
今、我々は自らの生存をかけて総決起し、地域社会維持・発展のため、大自然に恵まれたまたとない豊かな郷土を子孫に残すため、それぞれの決議を行った。
現実にあっては立場を越えて、管内全産業の理解と協力を得て一体的運動を展開することになった。 ここに根室管内の住民の総意を結集し、目的完遂のため邁進することを宣言する。 平成4年2月24日
実質6年連続の引き下げが続いただけに、その中央陳情もこれまでと違ったものがあった。一例とするのは7年ぶりに引き上げ価格6円を明示し、強力に働きかけたことである。
しかし、結果としては前年通りの1㌔㌘当たり76円75銭の据え置きである。ただ関連対策として実質1円の引き上げをみた。
根室管内が価格引き上げの根拠としたのは牛肉の輸入自由化によってヌレ子価格の下落など乳牛の個体販売価格が暴落したことで、農業団体の試算によると300円以上の欠損となっていることで、その損失分を乳価に換算して引き上げを求めていただけに、そこに不満が残ったのも否めない事実であった。
なお、乳価は平成5年度据え置き、同6年度は1.3㌫減の75円75銭の推移をたどった。
※以上、「中標津町五十年史」(P409~412)からの引用
0 件のコメント:
コメントを投稿